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『自由に生きるとはどういうことか』

読者の皆様へのごあいさつ

 

謹啓

 

北海道ではイチョウの葉が柔らかな静寂とともに色づいたかと思うと、毎年ながら翌日には激しい雨が降り、無残にもその地を黄色に染めてしまいます。そんな季節に恥ずかしながら、私は今頃になって自身の青春を燃え尽くすような内容の本を世に問うことになりました。

このたびは、拙著『自由に生きるとはどういうことか――戦後日本社会論』(ちくま新書、2007.11.刊行、780円+税)をご高配賜りたく、皆様に乞う次第です。

とにかく最後は怒涛の校正作業でした。編集者の増田健史さんにはさんざんご迷惑をおかけしました。校正作業をすべて終えて、増田さんは一言。

「真っ白な灰に燃え尽きました!」

ジョー、ありがとう!

本書は、青春の本です。坂口安吾、ロビンソン・クルーソー、日本女子バレー、あしたのジョー、尾崎豊、オウム真理教、エヴァンゲリオン、ドラゴン桜、等々。戦後日本の大衆文化を論じるための、叩き台となれば幸いです。なにとぞご一読をたまわりたく、お願い申し上げる次第です。

 最後になりましたが、皆様のご健康を、心よりお祈り申し上げます。

 

謹白

2007年11月2日

橋本 努